給水管の凍結を防ぐ断熱法:ヒーターケーブルと発泡材の選び方・施工手順

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冬になると、戸建ての持ち主を毎年悩ませるのが給水管の凍結だ。破裂で家が断水しないようにするには、前もって断熱しておくのが近道。腰を上げるのは今のうちだ。ここでは、配管を守るための素材選びと作業手順を実用目線でまとめた。

凍結した配管が危険な理由

気温が下がると、配管内の水は氷になって体積が膨らむ。その膨張で管や継手に亀裂が入り、結果として漏水や地下室の浸水につながる。冬場の修理は手掘りが必要になることもあり、交換が1日では終わらないことだってある。さらに厄介なのが氷栓だ。自然解凍を待つしかなく、春先まで配管がふさがれたままになることもある。

どの配管に断熱が必要か

すべての配管に保護が必要なわけではない。優先して断熱したいのは次の区間だ。

  • 井戸やボーリング孔から家屋までの配管で、凍結深度より上を通るもの
  • 建物への引き込み部で地表側に立ち上がる区間
  • 無暖房の建物内を通る配管(ガレージ、温室、サマーキッチンなど)

逆に、暖房された空間を通る配管や、十分な深さに埋設されているものは、原則として断熱を省いても問題ないことが多い。とはいえ、いまのうちにざっと棚卸ししておくと、あとがぐっと楽になる。

ヒーターケーブルの選び方

ヒーターケーブルには、管内に入れるタイプと外側に取り付けるタイプがある。管内用は宅内への引き込みに使われる。一方で外付けは融通が利くのが強みで、長い配管や急な曲がり、分岐にも対応しやすい。取り付けは配管の外側に沿わせ、アルミテープや補強テープで固定する。

断熱材は何を使うか

条件は耐水性と耐久性。この二つを満たすのが発泡系ポリマーだ。

  • 発泡ポリエチレン
  • 発泡スチロール
  • 押出発泡ポリスチレン
  • ポリウレタンフォーム

これらは腐らず、水を吸いにくく、長持ちするのが利点だ。ただし直射日光には弱いので、基本は地中や暗い場所で使いたい。

発泡ポリエチレン

スリーブを配管にすっぽり被せるのが基本。通せない場合は縦に切り込みを入れて巻き付け、テープで固定する。地上部では二重にしておくと安心感が違う。

発泡スチロールと押出発泡ポリスチレン

これらはシート状で供給される。浅く埋設した区間の保護を強化するのに向いており、ポリエチレンのスリーブの上に敷いてから埋め戻す。

ポリウレタンフォーム

継手や分岐、ヒーターケーブルのある箇所など、扱いづらい場所に適している。缶から吹き付けて一体の固まりを作れる。ただし日光は苦手なので遮光が必要だ。

バサルトシェル断熱材

無暖房の室内で使われる。保護層をひとつ足せるが、湿気対策としてポリエチレンの上から被せるのが無難だ。

断熱配管のつくり方:ステップガイド

ここでは、凍結深度より上に敷設した配管を、外付けヒーターケーブルとポリエチレン断熱で保護する手順を示す。

掘削の準備

深さ50〜70cmの溝を掘る。底に砂を10cm敷き、転圧する。

配管の準備

HDPE管をほどき、溝の脇に配しておく。

ヒーターケーブルの取り付け

ケーブルを配管に沿わせ、アルミテープで固定する。

追加の固定

20〜30cmごとに補強テープで巻いて押さえる。

ポリエチレンスリーブでの断熱

断熱スリーブを配管に被せる。スリット入りの場合は継ぎ目をテープで留める。

立ち上がり部の追加層

より大きい内径の断熱材を重ね、同じ要領で固定する。

保護管の施工

断熱済みの配管を剛性のある保護管に通す。土圧から守るための外殻になる。

砂での埋め戻し

ケーブルが下向きになるように溝へ収め、上から20〜30cmほど砂をかぶせる。

シート断熱の設置

浅い区間では、10cm厚の発泡スチロールまたは押出発泡ポリスチレンのシートを上に敷く。

最終埋め戻し

土で埋め戻し、転圧する。仕上げに芝や舗装を整えておくのも手だ。

そのほかの備え

耐寒仕様のHDPEであっても、停電でケーブルが止まれば破裂の恐れは残る。リスクを減らすには、配管に勾配をつけ、ドレンバルブを設けておくとよい。本格的な冷え込みの前に、配管の水を完全に抜けるようにしておくためだ。この考え方はガレージや浴室小屋、温室などの別棟でも有効。ひと手間かける習慣が、寒波のときにものを言う。

専門家に任せるべきとき

上水道に接続する場合は、凍結だけでなくウォーターハンマーの可能性も念頭に置く必要がある。地域の配水本管に接続するならなおさら、施工は専門業者に任せるほうが安全だ。余計なトラブルや真冬の緊急事態を遠ざける、堅実な選択といえる。