06:05 10-12-2025

家庭用アース接地ループの基礎と三角配置の理由・実務、規程と土壌・材料選びまで徹底解説、推奨抵抗値とPUE基準で安全に

家庭のアース接地ループをわかりやすく解説。三角配置が選ばれる理由、単独棒が不足しがちな原因、推奨抵抗値とPUEの要件、土壌条件と材料選び、測定の実務ポイントまで網羅。等間隔の配置目安や辺長の取り方、アース測定の簡易チェック、禁止される管の流用など安全上の注意点も紹介。施工のコツと耐久性の考え方も解説。

家庭のアースは「やったことにする」チェックではない。金属筐体が故障で感電源にならないよう食い止める仕組みだ。ここでは、接地ループがどう機能するのか、なぜ単独のアース棒では力不足になりがちなのか、規程がどこまで認めているのか、そして実務で三角配置が選ばれやすい理由を整理する。

接地システムが重要な理由

機器の絶縁が破綻すると、筐体に電圧が乗る。触れた人の体が電流の通り道になる恐れがある。適切なアースループがあれば、漏れ電流は抵抗の小さい経路――人ではなく大地――へ流れる。狙いどおり機能させるには、接地抵抗を低く抑えることが前提だ。住宅では30Ω以下が推奨値で、可能なら8〜10Ωあたりを目標にしたい。

単独のアース棒では足りない理由

縦に打ち込む電極(棒)を1本だけでは、求める抵抗値に届かないことが多い。土が締まっていたり乾燥していたりすると、電気的な接触はさらに悪化する。測定には専用の計器を使うが、毎回きちんと試験が行われるとは限らないのが実情だ。現場では白熱電球を位相とアースループの間に接続し、明るく点けば良好とみなす手法も見かける。

規程はどう定めているか

PUE第1.7章は接地の要件を定めている。三角形の義務づけはなく、土中に埋設する金属構造の利用が推奨される。一方で、上水や下水、ガス設備の金属管を流用することは、別のリスクを生むため禁止だ。

三角配置が選ばれやすいわけ

電極の並べ方は直線でも別のパターンでも構わない。とはいえ個人宅の工事では、理由がはっきりしている三角配置が優勢だ。

一般に、三角形の一辺は電極の長さに等しくする。規格では、電極間の離隔は棒長の約2.2倍が目安とされ、近づけすぎると性能が落ちる。

材料の選び方

直径約16mmの鉄筋や山形鋼(アングル)がよく使われる。山形鋼は打ち込みやすいものの、鉄筋や黒皮の鋼材は一般に錆びが早い。GOSTでは亜鉛めっきや銅被覆の棒を推奨している。市販のキットもあり、1.5メートルのめっきセクションを何本か継いで、必要な深さと抵抗値に到達させる構成だ。

効きを決めるのは土壌

アースループの性能は、棒の長さそのものより土の含水率に左右される。湿った地盤では抵抗が下がり、乾いた環境ではより長い、あるいは枝分かれしたシステムが必要になる。電極同士は金属帯で連結して一体の構造とし、事故電流を確実に運んで家庭の配電を守る。

三角形の接地ループが広まったのは規程のせいではなく、実際に扱いやすいからだ。施工は単純で、結果が読みやすく、難しい土壌でも狙う抵抗値に届きやすい。材料の質を選べば、耐用も伸び、肝心の防護という役目を着実に果たし続けてくれる。