15:40 08-12-2025

電気工事の予算術:改修で損しないコンセント計画とブレーカー選びの実践ガイド 安全・使い勝手・コスト最適化

改修の電気工事で無駄な出費を避ける実践ガイド。予算配分の目安、コンセントの最適数と配置、冷蔵庫等の専用ブレーカー、差動ブレーカーとRCDの賢い選択、信頼できるメーカー選びまで解説。安全性と使い勝手を両立しつつ、コストを最適化するための5つの指針を、実例に基づくチェックリスト付きで紹介。初期計画から機器選定まで網羅。

電気工事は、どんな改修でも費用がかさみ、仕上がりを左右する要の工程だ。住む側は明るい照明や使い勝手のよいコンセントを思い描く一方で、施工側には延々と続く配線と大容量の分電盤が見えている。この目線のズレが、見積もりの“意外な出費”を生むことは少なくない。どこで節約できて、どこは手を抜くべきでないのか――経験豊富な専門家の実務的な5つの指針に沿って整理してみたい。

電気工事の予算は改修規模に合わせる

平均すると電気工事のボリュームは全体費用の約10〜15%を占める。100万ルーブル規模の改修を計画しているなら、100個のブレーカーや数キロにも及ぶ高級ケーブルまでは入りきらないのは明らかだ。まずは設備系にいくら投じるのか上限を決めておく。そうすれば期待値が現実的になり、電気・仕上げ・水回りの支出配分も整う。

コンセントの数は、快適さと常識のバランス

コンセントは計画で最も議論が起きやすい要素のひとつだ。増やせば増やすほど金額は膨らむが、削りすぎるとタコ足配線や延長コードだらけになり、回路に負担がかかる。目安としては、1室あたり最低2〜4口を確保するのが無難だ。プロが設計する場合は、生活動線に沿った最適な配置を詰めてくれる。

自分で計画するなら、平面図に設置位置をマーキングし、日々の使い方を本当にカバーできるかを確かめたい。見積もりが膨らみすぎたら数量を間引く判断もあり得る。基本はシンプルで、結局は分岐タップやコードの絡まりに頼らないことを目標にする。

留守中も動く機器には専用ブレーカーを

冷蔵庫、ルーター、防犯システム、各種センサーなど、留守中も動かしっぱなしの機器は、専用ブレーカーにつなぐほうが安心だ。

その理由はふたつ。

たとえば、家中の半分のコンセントが1つのブレーカーにぶら下がっていると、やかんと掃除機を同時に動かしただけで保護装置が落ちることがある。

複合保護は賢く選べば節約できる

差動ブレーカーは、過電流用のブレーカーとRCD(漏電遮断器)を1台にまとめた機器。盤内がすっきりし使い勝手もよいが、価格は高めだ。代案は、標準ブレーカーに独立したRCDを組み合わせる方法。機能面の差はわずかで、コストは抑えやすい。予算が限られている場面では現実的な選択になる。

機器の節約は分別を持って

機器選びにはシンプルな原則がある。実績のあるメーカーの製品は、長持ちし、動作も安定しやすい。限られた予算でも、SchneiderやLegrandといった名の通ったブランドの手頃なシリーズを検討するほうが賢明だ。ノーブランドの特価品は早期故障のリスクがあり、ときに安全面の懸念も伴う。品質で無理をすると、やり直しやトラブルという形で跳ね返ってくる。

電気計画の肝は、安全性、使い勝手、そしてメリハリの利いた支出をどう両立させるかに尽きる。現実的な予算設定、考え抜かれたコンセント計画、重要機器の専用ブレーカー、信頼できる部材の採用――この組み合わせなら、過剰な出費を抑えつつ、後から顔をしかめるような事態も避けやすい。