15:49 07-12-2025

分電盤と負荷配分の実践ガイド:戸建て・マンションの安全な回路設計、三相受電と高負荷機器の配線ポイントも解説

分電盤の組み方から負荷配分、三相受電の戸建てと単相のマンションまで、回路設計の実践ポイントを解説。キッチンや浴室の配線、オーブン・クックトップ・温水器・ボイラー・コンベクタの扱い、容量別ケーブルとブレーカー選定まで指南。計画的配分で安全性と利便性を高めます。

整然と組まれた分電盤は、安定した電気設備の背骨だ。回路のまとめ方や各相への需要の配分は、利便性だけでなく安全性にも直結する。この段階のミスは、過負荷や遮断、機器の早期劣化にすぐさまつながりかねない。戸建ては特に難易度が上がり、3相受電では緻密な電力配分が欠かせない。マンションは比較的シンプルだが、台所と浴室は相変わらずの高需要ゾーンだ。

注意して扱うべき機器

電気機器にはそれぞれ定格出力がある。クックトップ、オーブン、コンベクタ、温水器はいずれも配電に大きな負担をかける。加えて使用パターンも重要で、すべてが同時に動くわけではない。

設計時には需要率(利用係数)を適用し、日常的な運用で実際に生じる負荷を見積もる。

戸建て住宅:3相受電での考え方

戸建てで一般的なのは、合計15kWの3相380V受電。主幹25Aなら各相およそ5kWを見込める。優先順位の筆頭は暖房だ。電気ボイラーを入れるなら、たいていは3相機で、内部の発熱体はスター結線により負荷を均等化する。

実務では、8kW級のボイラーは冬季ほぼ連続運転になる。各相の相当部分がすでに埋まる計算で、他の機器は同時稼働の可能性を見越し、慎重に割り当てたい。

家庭でのシンプルな目安:

使用が控えめでも、15kWの枠はすぐ天井に近づく。単相7kWの受電しかない家では、補助的な熱源なしでの運用はほぼ難しい。

ボイラーの代わりにコンベクタ:別のアプローチ

部屋ごとにコンベクタで暖房を分散すると、負荷はなだらかに均されやすい。必要に応じて順次オンになるため、実務上は過負荷のリスクが下がる。0.5〜1kWの小型コンベクタは、施工ルールを守れば既存のコンセント回路に組み込める。暖気は上に上がるため、2階は必要電力が少なくて済むことが多い。可変的に制御しやすく、供給容量に限りがある家にも馴染む。

マンション:単相受電とその勘所

現代のマンションは単相で10〜13kWが標準的。肝心なのは、回路を理にかなってグルーピングし、大電力機器には専用ラインを用意することだ。

マンションでの基本指針:

コンセント回路

各室に1系統を割り当てる。配線は送りでも、ジャンクションボックスからの放射状でもよい。後者は弱点になりがちな接続点を減らせる。

照明

負荷は小さいため、1本化でもよいし、部屋ごとに分けてもよい。ケーブルは1.5〜2.5mm²、ブレーカは6〜20Aを使う。

浴室

洗濯機、乾燥キャビネット、温水器はいずれも専用回路が必要。5kW級以上の瞬間式温水器には4mm²のケーブルを用いる。

キッチン

最も電力を食うゾーンだ。オーブンとクックトップには6mm²のケーブル、または独立した4mm²の2系統を使う。バックパネル沿いの各コンセントは、それぞれ専用の回路にする。複数の機器が同時に動いても接続の安定性を保てる。

計画こそ最大の安全策

賢い負荷配分は、家電の定格と実際の使用習慣を把握するという基本から始まる。戸建てではボイラーを勘定に入れ、各相のバランスを取る。マンションではキッチンと浴室に専用回路を設け、不要な接続の積み重ねを避けたい。

レイアウトを先に描いておけば、設備は安定して動き、事故のリスクは最小限に抑えられる。電気設備の設計を考える人にとって、ここでの要点は実用的な指針になるはずだ。