23:38 01-12-2025

失敗しないコンセント計画:部屋別の最適配置と安全ガイド|リフォーム前に必読・完全チェックリスト付き解説

キッチンからリビング、寝室、浴室、玄関、ワークデスク、バルコニーまで、必要口数と高さ基準、隠ぺい配線のコツ、RCDやアース、専用回路を電気工事士が解説。延長コード不要の配置例も。テレビ周りやベッドサイド、洗濯機、ロボット掃除機の充電スポットまで具体策を紹介。家具配置と写真記録のポイントも。チェックリスト付き

コンセントはたいてい目立たない。足りなくなったり、妙な場所にしかなかったりする瞬間までは。リフォームが終わり、家具を入れたら、必要な差し込み口がタンスの裏に消えていた——誰もが一度は経験する展開だ。これを避ける確実な道はひとつ、前もって計画することだ。

延長コードが顔を出したら、どこかで設計ミス

床を横切る延長コードが増え始めたら、それはレイアウトの読み違えの初期症状。配線は縦横の直線で通すのが原則で、壁に穴をあける作業も安全にできる。ジグザグや場当たりの対応は見栄えを損ねるだけでなく、システム自体を脆くする。

実際に必要なコンセントの数

キッチンは電力需要の中心地——家電が最も集まる場所だ。最低ラインでも、冷蔵庫、コンロ、オーブン、食洗機、電子レンジ、レンジフード、電気ケトル、コーヒーメーカーで8口。そこにトースター、ブレンダー、冷凍庫を足せば、12〜15口が現実的になる。コンロ(クックトップ)は分電盤からの専用回路が電気工事士の推奨。カウンター上の小型家電には、バックガードに4〜5口のコンセントブロックを設けるのが使いやすい。少し多めでも、余裕は後悔の種にならない。

リビングはエンタメの拠点

テレビ、ゲーム機、ルーター、スピーカー、充電器——どれも電源が必要だ。テレビ周りには標準のコンセントだけでなく、ネットワークジャックも計画しておきたい。配線は壁内のダクトに通しておけば視界がすっきりする。見落としがちだが効くのは、ソファ脇の一口。床から約30cm、ひじ掛けの少し下に差し込み口があると、ガジェットやフロアライトに毎日手が伸びる。

寝室は、まず快適さ

理想は、ベッドの両側に2口ずつ。スマホ、読書灯、ヘッドホン、タブレット——手の届く範囲で充電できると、夜も朝もストレスがない。ベッドは先に選んでおくのが無難。ヘッドボードがマットレスより幅広いことが多く、コンセントがその真後ろに隠れてしまうことがあるからだ。

浴室は安全最優先

ここは2口で足りる——ドライヤー用と電動歯ブラシ用だ。洗濯機の電源は、必要なときにすぐ抜ける位置に。必須条件はIP44の防水・防塵性能と、分電盤のRCD(漏電遮断器)。これが感電を防ぐ切り札になる。

玄関・廊下は小さくても要件多め

最低でも2口を確保したい——掃除機と靴用ドライヤーのために。ロボット掃除機を使うなら、充電スポットを用意しておく。クローゼット内に収める人も少なくない。

ワークデスクは、先回りが正解

デスク下には最低3口(本体、モニター、予備)。デスク上にはノートPCとスマホ充電用にさらに2口。安定した接続を望むなら、ネットワークジャックも組み込む。使い方が固まっていれば配線も迷わない。

バルコニーは、忘れがちな便利ディテール

バルコニー(ロッジア)をホームオフィスやくつろぎスペースにするなら、2〜3口を計画。冬はヒーター、夏は扇風機——その用意があるだけで使い勝手がぐっと上がる。

効く技術ディテール

高さの基準

標準:

キッチンでは、カウンター上に10〜15cmほど上げる。採寸は常にグループの中心までで、端ではない。

隠ぺい配線

壁内の溝は縦横の直線で。施工後は壁面を撮影して記録しておくと、後日の穴あけ作業で助けになる。

ケーブルの選び方

プロの電気工事士のアドバイス