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与那国の海底地形とかずら橋の謎を追う旅: 写真では伝わらない四国祖谷渓と最西端の海の体感徹底案内・現地目線

与那国島の海底地形は人工説と自然説が交錯し、世界のダイバーを惹きつける謎のスポット。四国祖谷渓のかずら橋は蔓で編まれ、今も3年ごとに架け替えられる伝統。パンフにない深い魅力と安全に楽しむコツ、行き方やベストシーズンまで、現地目線で詳しく案内します。旅行計画に役立つモデルコースや注意点も掲載。アクセス情報も。

日本を象徴するのは相撲や寿司、桜だけではない。

観光パンフレットでおなじみの絵柄のさらに向こうに、旅の冊子にはほとんど載らない場所がある。ひとつは与那国島の沖合、波の下に眠り、もうひとつは四国の山深い峡谷で風に揺れる。どちらも研究者を首をひねらせる存在で、すっきりと片付く答えをなかなか許してくれない。

与那国の沖、水中で見つかったものは何か

日本の西端に位置する小さな与那国島は、地理的には東京より台湾に近い。それでもこの島が広く知られるようになったのは、近くの海底に横たわるもののせいだ。

1986年、あるダイビングインストラクターが、水中で巨大な段や平台、くっきりとした直角の連なりに気づいた。人の手が加わったかのように見える部分もあり、そこから始まった議論はいまも消えていない。

一方の立場は、現場が数千年前の構造物、ひょっとすると都市の遺構かもしれないと主張する。支持する人たちは、ブロックのあいだに階段や通路、柱のような形が読み取れると見る。

しかし多くの専門家は自然起源に傾く。この地域では、地質と地殻活動の影響で、似たような形が自然に生じうるという。

公的な発掘は行われておらず、日本の当局も史跡指定はしていない。それでも与那国は世界中からダイバーを引き寄せる。謎を自分の目で確かめたいという思いに駆られるのだろう。不確かさが魅力を増しているのは否定しがたい。

山間に揺れる、蔓で編まれた橋

四国の中央部、祖谷渓の斜面に抱かれるようにして、もうひとつの異色の伝統が息づく。野生の蔓を編んだ吊り橋だ。

なかでも知られる祖谷のかずら橋は、長さおよそ45メートル、急流の上およそ14メートルに吊られ、その重さは約5トンに及ぶ。かつては敵から素早く逃れる道でもあり、必要とあれば蔓を切って落とせた。

現在も3年ごとに架け替えられ、昔ながらの手法が受け継がれている。訪れた人は編み目を握り、足元の板を確かめながら少しずつ進む。下では川が轟き、橋は一歩ごとにわずかに身じろぎする。心もとないのに、どこか意図的——挑戦でもあり、儀式でもあるような体験だ。

名の知れた存在になっても、かずら橋は土地の営みに根ざしたままだ。周辺の、あまり知られていない橋も見応えは変わらない。

異なるようで、どこか通じ合う

与那国の海底地形とかずら橋は一見つながりがない。それでも共通点がひとつある。どちらも定番のルートから遠いのだ。パッケージの行程に並ぶことは少なく、その隔たりこそが輪郭を際立たせている。

どちらにも謎が宿る。海中の石造風の形を誰がどう作ったのかは定まらず、現代にあっても人々があえて蔓を編んで橋を保ち続ける理由も、簡単には言い切れない。その魅力は、自然が生むものと、人が守り抜くものとの間に張り詰める緊張にあるのかもしれない。

説明のつかないものほど、人を惹きつける

与那国の現場は、専門家の議論をいまも呼び込み、関心に火をくべ続けている。かずら橋は、現代の素材に頼らずとも古い営みが21世紀に生き延びることを静かに示す。忘れ難さは、そうした粘り強さそのものに宿っているのだろう。